この日は晴れ間がありそうな日だった。

網走の朝は雨が降っていた。

雨の中ホテルを5時に出て西へ向かう。

たぶん十勝に行けば晴れているはずだ。誰もいない十勝の海岸線ヘ行こう。

妙な確信を持ってこの日の旅は始まった。

網走は雨の出発...

厚内から、道道1038号に入って、この日の本当のドライブがスタート。

気持ちいいほど晴れたもんだ。

それでも気温は低めで20度前後といったところ。

まずは道道1038号を厚内トンネルへ向かう。

4日目 2009年7月20日 快晴の十勝西海岸を行く...

網走のホテルを5時に出た。

雨は本降り。止む気配はなかった。

十勝の海岸へ向かう事は決まっていたのだが、あわよくば美幌峠で雲海を見たくて遠回り。

女満別のメルヘンの丘を通り過ぎるけど、夕暮れ以外はなんて間抜けな風景なんだろう...

目的地は250Kmの彼方だ。

屈斜路湖周辺はさらに雨が強くなって来た。

これで本当に晴れるのだろうか?

だんだん自信がなくなってくる...

この辺の道道1038号はまさに波打ち際を走る道だ。

海が荒れるとすぐに通行できなくなってしまう。

国道39号から国道243号経由で美幌峠に到着。途中雨がさらに強く降り続いていたので、雲海など見えるわけも無かった。

しかし寒い。網走も寒かったが...

温度計は8.5度を示していた。

道道717号経由で国道241号に入る。

阿寒横断道路と呼ばれる道だ。

雨が止み、前方に青空が広がって来た。

やった!やっぱり晴れるぞ。

心が軽くなってくる。

ところが、峠を越える頃からまた雨。

阿寒湖のセイコーマートで、またすじこのおにぎりを買って、食べながら天気の回復を待ったがこの天気はオンネトー、足寄まで続く。

足寄の螺湾付近で突然快晴になる。

ひと安心、前方に雲はない。

足寄から国道242号、本別で道道56号を走って浦幌まで。国道38号を少し走って上厚内から厚内へ向かう道を行く。このルート地図上は心細いルートのように書かれていますが、実際には2車線の舗装路なので厚内へのアクセスには一番便利です。

まぁ、この付近に行きたいという人自体が少ないけどね...

そしてまもなく厚内トンネルが見えてくる...

それにしても空には雲一つない。

昨日までの天気がウソのようだ。

この道の名物だった、離合できない旧トンネルは完全に閉鎖されていた。

歩行できるように残してほしかったが、老朽化したトンネル故、管理上しょうがないのだろうな。

などとつぶやきながら通り過ぎる。

厚内トンネルを抜けると、十勝の海岸線が一望できる...

この海岸線を今日は走ろう。

遥かに見えるのは襟裳岬だ。

逆からみた厚内トンネル。

ずいぶん立派なトンネルになったものだ。

かつては、離合も出来ない、道も海が荒れれば通行できない、ここが国道38号だったのだ。

名物の土柱はいまだ健在だった。

さて、ここからが本番。

あんまりオープンカーの人は行かないだろうけど、昆布刈石展望台へのダートを上って行く。

もちろん幌は閉めてね(笑)

昆布刈石の展望台へ到着。

展望台って言っても、単なるダートの路肩だが...

ここからの風景は、北海道の海岸線の原風景。

ここだけでしか味わえない風景がここにある。

海岸段丘の上にあるこの展望台から太平洋を見下ろす。

どこまでも続く大海原。

完全な逆光だったが、海はいい色をしている。

そして、黄金の滝を見に行く。

昨年は夕刻に訪れた為に、半分日陰になってしまっていたのだ。

花が咲く草地をかき分け滝に向かう。

ここを訪れる人はほとんどいない。

温泉が海岸段丘の上から海へ注ぎ込むのが黄金の滝。

少しの硫黄臭。

黄金の滝は特別なにも感じなかった。

だが、もう一度昆布刈石のダートに行きたかった。既に砂だらけなのだが気にしない。

この風景は北海道でなければ味わえないものだから...

自転車がすれ違っていく。

旅する人に手を挙げて挨拶する。

今日はいい旅ですよね。

はるかに見えるのは襟裳岬へつづく日高山脈だ。

もともと、この道「町道昆布刈石海岸線」はもう少し長い道だった。

友人によると、ボクは全然覚えていないのだが、学生時代にここを走った事があるらしい。その頃は全然ダートの道なんて興味無かったのだが、今思えば惜しい事をした。実際にボクがここで撮った写真が友人宅にはあるらしい。

ダートを走るオープンと言えば、HONDA S2000が登場するDo you have a HONDA ? のCM。

ボクはこいつを見てS2000がたまらなく欲しくなったのだ。

まぁ、実際オープンでこんな事したら車内は大変な事になってしまうのだが...

でも、ダートをオープンで走るのは好きさ。

遥かにつづく十勝の海岸線。

どこまでも走ろう。

襟裳岬だって、ほら、すぐそこさ。

十勝太の集落近くにあるロランCの巨大なアンテナ。

LORAN(ロラン、LOng-RAnge Navigation)とは電波航法のひとつで、船舶・航空機が洋上などで電波を用いて位置を知るための手法です。用いる電波によって、LORAN-A(中波を使用)、LORAN-C(長波を使用、広範囲)があり、LORAN-C の精度は30~300m ほど。日本のロランCは、千葉コントロールステーション、新島(主局)、慶佐次(W従局)、南鳥島(X従局)、十勝太(Y従局)からなっている。GPSの普及で必要性は減って来ており、南鳥島局は平成21年12月に廃止予定だ。

ダートの道が終わって、国道336号新ルートの終点へ出た。

まっすぐつづく直線の彼方、がぜん旅心をかき立てる風景だった。

厚内から今日の本当の旅の始まり...

北海道の海岸線の原風景、昆布刈石のダートの道。