閑散とした厚内の駅に着いた。

別に、何かあるのを期待して来たわけじゃない。

以前は海猫という喫茶店が営業していたのだが、店は閉鎖されていた。窓も入り口も板が打ち付けられている...

厚内を出て、しばらく波打ち際を走る...

もうすぐ17時。

陽があたらない海岸線を行く...

ダートの直線を走って先、下りのカーブが続く。

その途中に黄金の滝がある。

入り口にはこのようなそっけないカンバンがあるだけ。

昆布刈石展望台からダートのコーナーを曲がりながら高度をどんどん下げて行く。

黄金の滝

厚内へ...

厚内駅とこの日の旅の終わり...

構内へ入ってみた。

北西の方向、つまりは帯広方面を見る...

ホームは長いが、現在ここを通る列車にはこんな長大なホームは必要ない...

この滝はイオウのにおいがした。

温泉が流れ込んでいるみたいだ。

海岸段丘の上を行くまっすぐなダート...

この風景に出会うためここにやってきた。

昆布刈石展望台にて...

これが黄金の滝である。

少し訪れるのが遅かった。太陽が傾きすぎて、滝が陰ってしまっている。

足元は安定しない砂利で結構危険だった。

海岸段丘の草原から、一気に50m落下していて、滝の下には流された木々やゴミが散乱していた。

真下には太平洋しかない。

海岸段丘から落ちていく滝。

草地と青い太平洋。

それしかない荒涼たる風景...

朝日に輝くこの滝を海岸から見上げると、黄金の滝たるゆえんがわかるという...

太平洋を見下ろす...

どこまでも青い海が広がっていた...

この場所でしばらく過ごした。

他のクルマはまったく来なかった。

空の蒼と海の青。

牧草地と海岸の緑の中をダートのみちがただ続いていた。

昆布刈石展望台は道端にこのカンバンがあるだけだ。

前方に見える2つのトンネルは、左が新厚内トンネル。右が閉鎖された旧厚内トンネルである。

かつてはここが国道38号線だったのだ。すれ違いの出来ないトンネル。しかもダートの二桁国道の時代だ。

ここからは下りのダートを経由して先に見える厚内トンネルまで下って行く...

何も無いこの場所、この風景。

なぜか心に残っている。

道道1038号と合流し、再び海沿いに出ると新厚内トンネルが見えてきた。旧トンネルへ向かう道はすでに閉鎖されている。この新トンネルはトンネル内で対向通行が可能になっている。

厚内側に抜けて、旧トンネルを振り返る。

いまだ工事をしていた。旧トンネルを塞ぐ工事をやっているようだった。

厚内トンネルから厚内の町へは、波打ち際を走る道が続く。

悪天候でここを走ったら、波に飲まれてしまいそうだ...


クルマは来ない。

さびしい道を行く...

なぜかこういう風景が好きだ。

さびで赤茶けた風景。

青い空。

さびた駅名表示板。

今日の旅はここで終わりだ。だんだん気温が下がってきた。

直別で国道38号に入る...

まもなく白糠というあたり。

十勝太の商店の主人が教えてくれた通り、速度取締りをやっていた。

釧路に着いて、何を食べたのだっけ?

よく覚えていないな...