大観山に着いた。阿蘇五岳のシルエットの向こうにまさに夜が明けようとしている。
かなりの出遅れなので、阿蘇に正体出来るダートの駐車場は満車で既に入れない。しかしその手前のダートの広い路肩には誰もいない。そこにクルマを止めて阿蘇の夜明けとZ4Mを撮ることにした。
3日目 2011年11月25日 阿蘇をめぐる旅
いつ崩れてもおかしくないような道なのだが、ここから見る阿蘇の風景は荒涼とした雄大さが感じられる。
阿蘇を背後から照らす太陽。五岳がシルエットとなってZ4Mの背景にあった。
カルデラ盆地に雲海を期待したのだが、雲海は出ていない。
盆地を流れる黒川に沿って霧が出ていた。
熊本駅近くのホテルを6時前に出発。国道57号を阿蘇方面へ上っていく。
道の駅大津を越えるとミルクロードに入って大観山方面に外輪山を走っていく...
明るくなってくる東の空、そして九重の山々がワインディングの向こうに見えてきた。
そして、6:59夜明けだ。東の大分県、萩岳の方面から太陽は登ってくる。
この場所には誰も来ない。
冷たい風が吹く。気温は零度。澄んだ空気。
そして阿蘇五岳。ブッダが寝ているように見えるという...
朝からどこへいっても人が多い観光地阿蘇だが、さすがにこの道には人の気配は無かった。
阿蘇の天気予報は曇り時々晴れ。期待できるのか出来ないのか微妙だった。
昨日の大隅半島のように雲は多いけれども晴れることを祈って、6時頃熊本市の宿を出発。日の出の時間は7時なのでかなりギリギリの出発だった。
今日は一日中阿蘇を満喫するつもりなのだが、二つ懸念がある。雲が多く霞んだ天気と、もうひとつは自分自身が阿蘇を愉しめるかどうか不安なことだ。さて数十回目の阿蘇に向かって出発だ。
瀬の本高原あたりでクルマを止め、九重の山々を眺める。
山の向こうは雲に覆われているようだった。
やっぱりやまなみハイウェイは気持ちいい。澄んだ空気の中爽快に走る...
やまなみハイウェイ城山展望所からの阿蘇五岳の眺望。はじめて来た時はここからの風景でも感動していたものだが、城山展望所の風景はやはり大観山とかにはかなり劣るもんですね。
しかし、雲が多いねぇ。少し落胆しつつ箱石峠を目指す。
箱石峠を見下ろす道に着いた。国道265号のワインディングを見下ろし、そして根子岳がそびえるこの風景。
Z4Mの汚れ具合がまた旅をしている実感... ここに来るまでも洗車できそうなところは探したのだが...
南阿蘇から見る阿蘇五岳は緑が多くて、まるで別の山を見ているような気がする。
すこし霞んではいるが、申し分ない展望だった。
俵山峠を下って行くと、ススキの穂が光を浴び、風にそよぐ風景が美しかった。
昼食を終えて、ミルクロードやひごだいロードをとにかく走り回る。
シーズンオフの平日なのだが、そこはやっぱり大観光地阿蘇だ。クルマはそこそこ多い。
また、大観山までやってきて、九重と阿蘇のやまなみを眺めていた
Z4Mは埃まみれになっていたが、この荒涼とした風景には相応しいんじゃないだろうか。
降ってきた道を見上げる。
このような風景は日本じゃここしか無いんじゃないだろうか。この寂しい風景も訪れる季節が変わって新緑の季節だとずいぶん印象が変わってくるのだ。
ゆうぐれは草千里ヶ浜で過ごそうと決めていた。
県道149号を赤水まで、そして国道57号を走ってると洗車場を発見したので洗車することにした。桜島の火山灰とその上にこびり付いた泥は簡単なことじゃ落ちてくれない。高圧水コースを2回やって更にスポンジで汚れを落としてやっと完了。
阿蘇パノラマラインへ向かったのは17時近かった。
凍てついた九重へ続く高原地帯
さて、何処に行こうか?阿蘇は特別にどこに行きたいって気持ちが何故か出てこない。
とりあえず天空の道へ行ってみようと7:30頃に向かってみる。
まぶしい逆光の中撮った写真。画像処理でなんとか天空の道が見えてきたが、ハーフNDフィルターの必要性を感じるところ。
ただ三脚を据えて、じっくり写真を撮るタイプじゃないのでどうも買っても結局使わない気がする...
剥がれそうなアスファルトの道を下って行く。
雲間から射す光が幻想的な雰囲気を出している。
阿蘇は次第に雲に覆われてきた。そのうち雲は流れていくのでそれまで九重へ向かうことにした。
天空の道を下まで降りて、県道149号213号を東へ、県道11号やまなみハイウェイで北へ向かう。
瀬の本高原のパーキングでこれからのルートを検討するが、北は天気がイマイチでやはり阿蘇に戻ることにする。走ったことが無かった久住高原ロードパークを一度走ってみたが、これはあまりお金を払う価値がないような気がしたな。並行する国道442号でも風景はあまり変わらない。結局久住高原ロードパークを終点まで走って、県道669号、国道442号経由で瀬の本高原へ戻ることにした。写真はスカイパークあざみ台からの風景。ここに来る前に道路工事をやっていて水をまいたダートを走らされて、もともと汚かったZ4Mはもうどろどろに汚れてしまった。
クルマはさらに汚くなって気分が沈んだが、洗車できる場所もない。
なんとなく気温も上がってきたのか霞んできた阿蘇へ向かって、やまなみハイウェイを引き返していく。
県道11号から国道57号そして国道265号へ入っていく。
箱石峠の道の風景は阿蘇で一番好きかもしれない。走っていても楽しいし、そのダイナミックな風景に心奪われる道だろう。
左が根子岳、そして右が阿蘇五岳の最高峰高岳である。
ここから見ると箱石峠のダイナミックなワインディングが一望できる。
箱石峠を出て休暇村阿蘇の裏山からの風景が素晴らしいと聞いたので探してみたが見つからず、俵山峠を目指す。
南阿蘇は晴れ渡っていた。
俵山峠に向かって県道28号の旧道を上っていく。ここも美しいワインディングルートだ。
俵山峠には風車が3基ありこれは草千里ヶ浜からもよく見える。
クルマを駐車場に停め、展望所へ歩いて行くと阿蘇五岳の眺望が広がっている。
さて、俵山峠から先何処を巡ろうか悩んでしまった。大分方面には行きたいとこいろいろあるけど、阿蘇を離れる事になってしまう。鍋の平にでも行ってみるかと、広域農道をどこまでも走る。狭い道を通って着いた、鍋の平キャンプ村はシーズンオフなので誰もいない。このまま日ノ尾峠を越えてしまおうかと思ったが、なんか通行止めのカンバンが出ているので引き返す。
結局、国道265号箱石峠経由で国道57号宮地まで行って昼食とする。
お店はなじみのレストラン藤屋。阿蘇に来たら必ず食べる阿蘇のあか牛である。年々味がが落ち値段は上がってきたが今年はかなり美味しかった。
ミルクロードを走って、ふたたび天空の道ラピュタの道を訪れてみた。
雲は相変わらず多かったが、西に傾いた太陽が照らすこの道の風景は素晴らしい。
なんとかゆうぐれに間に合った。
米塚、阿蘇の方向に日が沈む。ボクは外輪山からより阿蘇パノラマラインからの風景がやっぱり好きだな。
そして杵島岳を左に見ながら草千里ヶ浜を目指す...
草千里ヶ浜。阿蘇の風景を思い浮かべるとボクの頭にはこの風景が浮かぶ。
中岳はいつものように噴煙を上げていた。
夕陽が風景をほのかな朱に染めていた。
洗車したので、Z4Mはピカピカ。
この日は感動的な夕陽の風景じゃなかったけれど、それなりに満足したかな。クルマがきれいになった満足だったかも(^-^;
そして、夕陽は沈んでいく... 俵山の風車の向こうに
空気が澄んでいれば、雲仙に沈む夕陽になるのだろう。ボクは今までこれを見れたことはない。
阿蘇の旅はなんとなく不完全燃焼だった気がする。何度も来すぎていることもあるけど、探究心が足らないから、どうしても行きたい、見たい風景を見失っているんだと思う。
陽が沈んだ米塚を県道298号で下っていきながら今日の旅を振り返っていた。
国道57号を下っていると夕ぐれが美しかった。九州道熊本ICまでは断続的に渋滞していた。
熊本ICから九州道、そして長崎道、西九州道を経て佐世保へ。
明日は平戸を巡ることになる。