滅び行く、終末の風景...
黒い雲が垂れ込めてくる。
まぶしい夕陽を桟道からずっと見ていた。
そして、18:43 知床連山に陽は沈む。
まさか、この日こんな夕陽が見れるなんて想像だにしなかった。
日没後、ネイチャーセンターへ向けて1.5Kmを歩いた。
空の色彩は変化を続けていた。
振り返って撮った空。
あぁ、なんて色なんだ。
そういえば、2006年のトドワラもいい色の空だった。
トドワラは空の色、そして雲と一体になって完成する風景なのだ。
陽が知床連山に落ちて行く...
シャッターを切るごとに感動があった。
立ち枯れて行く二本の木。
寄り添い立つこの樹木を彩る夕陽。
トドマツの残骸、滅び行く風景。
世界の終末ってこんな風景だろうか。
まもなく太陽が沈む...
時間は、18:30になっていた。
ナラワラ上空の空。
圧倒的な空の色彩に息をのむ。
立ち枯れたトドマツの木が、夕陽を浴びて浮かび上がる...
トドマツの亡骸が、溺れて行く自分自身のように見えた...
空の色がめまぐるしく変わる。
空の色彩の饗宴が始まる...
ネイチャーセンターへ到着。
笑ってしまう野付半島の石碑も、この空の色に引き立って見える。
さて、尾岱沼温泉へ向かおう。
直線距離は5Kmもなさそうだが、実際には24Km走らなければならない。
尾岱沼温泉の尾岱沼シーサイドホテルに到着。
ここはお気に入りの宿である。
食事は美味しく食べ切れないほど出てくるが、やはりここ野付半島はなんと言っても「北海しまえび」この週で今年の漁が終わってしまうらしいが、生の北海しまえびの踊り食いが出たのにビックリ。ラップがかけてあるのは暴れるからなのです。
カニも刺身もすべてがおいしく、今年も完食できなかった。
この尾岱沼温泉もアルカリ性の湯でボク好み。
野付湾が一望できる露天風呂を楽しんだ。露天風呂の正面があのトドワラなのです。
いろいろあった一日だったが、最後よければ総て良し。かな?
思いがけない、野付半島の晴れ間。
トドワラに来るなら夕刻がいい。
印象的な雲がある時がいい。
今日の旅の余韻に浸って、ゆっくり風を感じて走った。