この圧倒的な灯台は特別な灯台らしい。
まず、国の名前「出雲」を冠した名称。次に灯台には普通は岬を表す「埼」という文字が使われるのだが、この灯台は「碕」の字を使う唯一の灯台である。また「燈台」という文字も同じ島根県の美保関燈台と2箇所だけ使われている名前らしい。そして日本一の灯塔の高さを誇る石造灯台だし、世界灯台100選や日本の灯台50選に選ばれた日本を代表する灯台で、歴史的文化財的価値が高いため、Aランクの保存灯台となっている。さらに全国に6箇所しかない最大の第1等レンズを使用した第1等灯台でもあるのだ。
まぁ、とにかく本格派と言うかケチの付け所の無い灯台である。
あまりに立派すぎるとケチを付けたくなるものだが、ボクは例外的にこの灯台が大好きだ。
この白亜の石造りの外観がいい。表面の凸凹がなにかしら温もりのようなものを感じさせてくれる。
そしてこの写真のように灯台を見上げて空を、雲の流れるさまを見るのだ。
でもここでいくら旅の感傷に浸っても、駐車場に戻る道は賑やかで「焼きいか」や「サザエのつぼ焼き」の匂いや売り子の声に我に返るのだ。土産屋のオバちゃんの勢いに負けて買った焼きいかをほおばりながら、「そんなもんだな〜」などともごもご言っていた。