早春、海を巡る九州の旅 2009/3 九州
 

吹上浜、広大な寂しい浜。

吹上浜は47Km続く砂丘地帯。公園化されているところも多々あるが、今回は何も無い砂浜を散策してみたかった。

時刻は既に16:30をすぎており薄暗くなっていた。

寂しさを味わう為に旅に出ている。

そして、なんでもない自然は美しい。

入来浜に流れ込む伊作川の河口。

Z4Mに戻る途中、砂の上でとんでもないものを拾った。

なんとZ4Mのキーだった。

この砂の上でよく見つけられたものだ。それよりなんで落としてしまったのか。

運良く見つけられなかったら、今日の旅は確実にここで終わっていただろうな。

吹上浜は日本三大砂丘の一つだが、普通イメージする砂だけの砂丘はでは無い。

砂丘の上には草が茂って、その砂を隠している。

でもボクは好きだな。こういう風景が...

京田浜を離れる時間の方が明るかったかもしれない。

うす雲のベールの向こうから太陽があがく。

歩きにくいさらさらの砂。

いい時を過ごせたような気がする。

そして、吹上浜を味わうにはこの京田海岸を外す事は出来ない。入り口もわかりにくく行きにくい場所だ。

途中までは数キロのフラットダート、さらに松林の中を歩いて一キロほど。

草に覆われた砂丘が見えてくる。

17:30だった。

この日はかなり暗かった。

京田浜で夕暮れを...

砂丘を登った瞬間に雲間から光が射して来た。

さえない空に、光がさすと空の表情ががらりと変わった。

言葉は無い。ただ、風景に圧倒される。

何があるわけでもない。

静かな波音と、すこし暖かい風が西から吹いて来た。

京田浜を出て、さっき気に入った金峯山にまっすぐ続く農道へ行ってみた。

なんとなく今日の旅の終わりにふさわしい気がしてシャッターを切った。

暗くなった薩摩半島を横断する農道を走って鹿児島へ向かった...