浅春の九州 2008/3 九州
 

本土最南端 佐多岬 ふたたび

誰もいない海岸をさがして...

地図に無い山岳スカイラインを行く...

開聞岳は西の方向。

タグボートがなにか工事用の設備を引いてやってきた...

一般人にはたどり着けないところにある佐多岬灯台を望遠レンズで引き寄せた...

1866年(慶応2)5月に、アメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ「改税条約」によって建設することを約束した8ヶ所の灯台(観音埼、野島埼、樫野埼、神子元島、剱埼、伊王島、佐多岬、潮岬)の一つということで、非常に歴史のある灯台なのだそうだ...

北の空は蒼かった...

プロペラの風を切る音だけが聞こえていた...

佐多岬を出たのは16時。まずはこの日の宿を決めた。

日没までの時間はまだまだあるので、美しい海岸をさがしに行くことにした。

県道68号、74号、564号を走って、大隅半島東岸へ出た。浜尻という海岸だ。

この先の東岸には道は無い...

3月16日に佐多岬ロードパークまで来ていながら、見ることの出来

なかった佐多岬にまたやってきた...

荒々しく蒼い最南端の海。

遠くに霞む種子島。

小さな漁港だが、外洋に面しているので防波堤は強固だ。

Z4Mを海岸沿いに停めた時に、おばあさんが乗った軽トラックが通りかかって「何しに来た?」と聞かれたが、答えに困る...

根占風力発電所への道はあまり良い道ではない。案内のカンバンも頼りなく、すべての分岐にカンバンがあるわけではなかった。1.2~1.5車線の道だったが、何とか迷わず到着することが出来た。

Z4Mの向こうには錦江湾越しに開聞岳を見下ろせる...

おぉ!来てヨカッタ...

展望台は壊れたまま、また営業を開始していた。

台風で吹き飛んだ壁の修理はされておらず、工事用の金網が張られていた。写真が撮れるようにところどころ金網に四角く窓が作られていた。

海の正面には竹島と硫黄島。方向としては南西を向いている...

ここ佐多岬の緯度はニューデーリー、カイロと同じ。

佐多岬の東に枇榔島(びろうじま)、南方100mに大輪島(おおわじま)が浮かんでいる。

南の空は薄い雲に覆われていた。

ベンチに座ってパンをかじった...

夕暮れまでここにいようか迷っていた...

佐多岬ロードパーク自体は町が買い取って無料だが、佐多岬は展望公園ということで有料となっている。運営は元の道路の持ち主いわさきコーポレーションだった。

大人が300円、子供が150である。確か昔はロードパークが1,000円、岬へ向かうトンネルは100円だった。

佐多岬ロードパークの道は少々荒れている。

アコウの木が枝から気根を垂らしていた。なんとも南国らしい風景の中を走る...

トンネルの入り口で300円を払って、岬の先端部へ向かう...

前方に展望台が見えた。台風被害で以前は立ち入り禁止だった。(ムリヤリ入って行ったのだが...)

佐多岬へ向かう遊歩道には、本土最南端の神社である御崎神社がある。

参道をふさぐように南国の植物が生い茂る...

アップダウンの激しい遊歩道を展望台へ向かって歩いていく...

遊歩道を10分ほど歩くと岬の先端部に出た...

大輪島の佐多岬灯台が見えた。

この場所には佐多岬のカンバンがあるんだけれど、意図的に外して撮っていた。

かすんでいるが、種子島が見えていた。

浜尻海岸には誰もいなかった...

素晴らしくきれいだけれど、歩きにくいめり込む砂。

強い日差し...

吹き付ける風...

ただ波音だけが響いていた...

南大隅ウィンドファーム根占発電所へ向かう

浜尻海岸から県道564号、74号を戻る。

佐多岬で見たポスターによると、南大隅ウィンドファーム根占発電所からの風景はなかなかのものらしい...

ここには1,300kWの風力発電が10基あるとのこと。

県道74号を北へ、さたでぃランドを過ぎてしばらく走ると風力発電所へのカンバンが出てくる。

東の尾根づたいには南大隅ウィンドファーム佐多発電所が見えた...

とくだん何もあるわけじゃない風景だった。

それでも来たことに満足していた。

どうもふるさと/広域基幹林道らしい道。道路の基点のカンバンを見ていなかったので道路名はわからない。

ナビの画面ではこの先の辻岳で道路は終わっている。

私の持っているツーリングマップル九州沖縄2005年版には全く記載は無かった。

道路は5m幅があるが、路面はあまり良くなかった。法面から転げ落ちた火山弾の落石がいっぱいあった。でも、九州らしいかも...

標高はぐんぐん上がって、GPSによると800mを越えていた。

大隅半島の中央部を見下ろせる。

辻岳を過ぎて、道路は下りに入った。もう野尻野台地から10Km近く走っている。

錦江湾が見えてきた。根占あたりの海岸だろう...

この辺のガードレールは凝った木製だった。

しばらくすると道路が良くなって、分岐があった。

林道根占中央線と書いてある。おお。道路の名前がやっと判明。

右の柱にはパノラマパーク西原台の文字。

どんなところだろう?行ってみることにした。

パノラマパーク西原台にあった完成記念碑。

一番上に、ふるさと林道緊急整備事業と書いてある。

緊急とはどんな理由があったのだろうか?

西原展望台で見た、忘れえぬ風景...

偶然たどり着いた西原展望台。

Z4Mを降りて見た風景。

PM 5:40だった...

正面に開聞岳。 そこにある風景...

開聞岳の背後に沈みつつある夕陽...

錦江湾の海上を走る夕日の道。

夕陽に照らされた空にはシーラスが広がりつつあった...

海上からそびえ立つ美しい開聞岳。

長崎鼻がまるで島のよう...

海から突き出た俣川洲と尖った山容の竹山...

夕陽に照らされ、そのシルエットを浮かび上がらせる...

本土最南端佐多岬まで続く、大隅半島。

巻毛のような雲をシーラスと呼ぶ。

シーラスが広がる空は、雨を告げている。

このすばらしい風景を見ることと引き換えに、明日の天気は悪くなって行きそうだ...

北の方角には霞みの向こうに桜島...

このすばらしい風景のBGMは... Joni Mitchell  One Week Last Summer

ぜひ、訪れてみて欲しい...