6日目 2007年3月15日 鹿児島県西岸から阿蘇へ向かう...
朝から天気が悪く、阿蘇に向けて移動に徹するドライブを考えた。
長島を目指して海沿いを北上していくと雨が降ってきた。
雨ならと、球泉洞で鍾乳洞を見に行った。
そして、国道218号から阿蘇へ向かう国道265号に入る。そこでこの旅最大のピンチに遭遇して旅は突然終わる...
3月15日の旅は江口浜海浜公園から...
鹿児島市内のホテルを6時に出発。
国道3号線を西に向かう...
昨日旅を終えた吹上浜にある江口浜海浜公園から今日の旅が始まる...
さて、この天気だと海を見に行ってもイマイチなので、進路を変更し山へ向かうことにしてもう一度橋を渡る。
この黒之瀬戸大橋は阿久根市と長島・東町を結ぶ全長502mのトラスト橋である。通行は無料である。
進路は変更したものの、少し残念だ。
長島の海岸から見える、対岸の天草や島々はいい天気ならすばらしい風景を見せてくれるはず...また次回来る楽しみが残ったことにして、長島を後にする。
黒之瀬戸大橋
江口浜から国道270号で市来町、国道3号で串木野市に入る...
串木野から海岸線を行く県道43号を進む。
串木野市白浜付近を走る...
ぽつぽつ雨が降ってきた。
九州最大の鍾乳洞、球泉洞へ
阿久根の北で県道365号に入り、長島を目指す。
長島と伊唐島は行きたかったところなのだが、いかんせん天気が良くない。
黒之瀬戸大橋を望む展望台から橋を見下ろす。
この海峡は急潮で有名で、上から見下ろしてもまるで川のような流れで潮が流れている。
数少ない八代海の出口のこの急潮の風景は必見かも...
国道57号の様子である...
これから外輪山を越える為、上りが続く。それでも、さすが57号は幹線道路である。交通量が多いため、なんとか走れる。
まわりのクルマも全部ノーマルタイヤ。ぞっとするね...
山に差し掛かると、ウソのように雪が消えた。
もう、疲れた... 夕方になっていた...
雪の国道57号線は、峠を越えると穏やかな小雨に変わった...
もう疲れた...
帰ろう...
休暇はまだ余裕があったが、モチベーションが落ちてしまった。
熊本IC手前のスターバックスで「今日のコーヒーをトールサイズで!」とオーダー
して帰路に着く。この日のコーヒーはエチオピア シダモだったような気がする...
途中渋滞していたが、直方SAまで一気に行った。
6時40分に江口浜海浜公園に到着。
まだ、雨こそ降っていないが、空は雲に覆われていた...
今日の天気予報は一日雨だった。
江口浜から南へ、延々と続く吹上浜を見る...
雲の切れ目を太陽の光がなんともいえない色彩に染めていた...
6時58分そろそろ出発だ... これがこの日見た最後の太陽の光だった。
鹿児島県道43号から国道3号へ
川内川の河口にある川内河口大橋を渡る。
この川の河口には岸の北に火力発電所、南に原子力発電所があった...
雨は本降りになってきた...
風光明媚な場所らしいが、この雨空ではダメだ...
再び国道3号線に入る...
大迫口という辺りの風景...正面に見えるのは西方海岸人形岩と言われるところ。
海に突き出した部分が潮が満ちると島になり、引くと陸続きになる。
道の駅阿久根に到着。
天気さえ良ければこのあたりはきれいな海岸線なのだが...
残念。でもどんな天候でも何らかの楽しみがあるはずなのだ。気を取り直してさらに北を目指すが、今日の目的地を全く決めていなかった。
なにせ、この日は九州全域で雨だったのだ。
国道3号を北へ向かう...
水俣港に差し掛かる... 正面に見えるのは月の浦橋。
進路は変更したものの、少し残念だ。
長島の海岸から見える、対岸の天草や島々はいい天気ならすばらしい風景を見せてくれるはず...また次回来る楽しみが残ったことにして、長島を後にする。
国道219号に入って、球泉洞に到着。
外は雨。ならば濡れない所に行ってみようという発想だった。
入り口で1,050円を支払って地下に向かうトンネルを行く...
球泉洞の中は夏でも冬でも16℃に保たれているのだそうだ。球泉洞は九州では最大の鍾乳洞で、昭和48年3月に発見された延長4.8kmの鍾乳洞。
およそ3億年前、海底にあった石灰岩層が隆起してできたと言われています。
うーんこういうのを解説するのはニガテだ...
例によって、私の行くところに人はいない...
まぁ、ここは秋芳洞よりはすごくない。鍾乳洞をはじめて見るなら感動するかも知れないが、私の価値観だと秋芳洞を見たことある人は見る必要が無いような気がする。
洞穴マニアを除く...1時間ほど地下世界をたった一人で歩いて、また雨の地上に戻る。
雨の球磨川沿いを熊本へ向かう
球泉洞を出て、どこに行こうか悩んだが...
九州はどこに行っても雨らしいので、阿蘇の赤牛を食べに阿蘇へ行ってみることにした。
球磨川沿いに八代まで国道219号を行く。正面に大野大橋が見えてきた。左折すると来た道の県道27号である。
この国道219号は球磨川沿いに続く道。またこの球磨川沿いには、肥薩線(えびの高原線)も併走している。この肥薩線はすばらしい眺望を楽しめる鉄道で、日本三大車窓の一つ矢岳越えや、スイッチバックやループ線など鉄道の楽しみがつまっている路線である。
いちどゆっくり旅してみたい...
その肥薩線海路駅付近を走る...
山の中を八代海へ向かう路。
雨脚は弱まらない...
国道219号は、鎌瀬付近で川を渡って対岸を走るようになる。
まもなく八代に出る。
国道52号での阿蘇入りはあまりに芸が無いような気がして、国道218号を走って、南から阿蘇に向かうことに決めた...
この選択が後の悲劇を生むことなど知る由もなかった...
ずるずる滑る、上れない..クラッシュ覚悟!雪の阿蘇外輪山越え...
八代から松橋まで九州自動車道を使い、松橋から国道218号を東へ向かう。
この道はまっすぐ行けばそのまま高千穂へ通じる道である。途中には石造りのアーチ橋である通潤橋や霊台橋がある。去年の旅でこのルートを走っている...
さて、国道265号に入る。南から阿蘇へ入る道路である。
ここは高森峠付近。雨がみぞれに変わった。コーナーでずるっと滑った...
ヤバイ!雪だ...
かなりの急激な降りだった。
高森峠を越えて南阿蘇に入る。雪は止まない。
ここまで来るとここで立ち往生するわけに行かないので、一気に宮地まで行ってしまいたい。
しかし、高森から宮地までは、また880mの箱石峠を越える必要がある。積雪は一気に10cmを超えた。
雪の山道、Z4は前に進まない。リタイヤが横滑りし、何度かスタックした。細心のアクセル操作でなんとかスタックを脱して、下りにかかったところで1枚写真を撮った。このあたりは雪が少なかったみたいだ...
まぁ、だからこそ写真を撮る余裕があったということか...
箱石峠の下りは滑ったら最後、ガードレールにクラッシュである。
なんとか切り抜けて、宮地に到着。
本当に怖かった。買ったばかりのZ4も一時はクラッシュを覚悟した。肩は緊張で痛かった...
目的地のレストラン藤屋にたどり着いて、阿蘇の赤牛のヒレステーキを頂いた。
このポタージュスープを一口食べて、やっと生きた心地がした...
疲れた...
ヒレステーキは本当にウマかった。
でも、肝心のステーキの写真は撮って無かった...
実はレストラン藤屋で食事中も雪がやむ気配は一切無く、どんどん雪は降っていた...
気が気ではなく、なんとか今日の宿を確保するべく電話をかけまくったが、雪で緊急の滞在となった人が多いらしく、泊まるところは結局見つからなかったのだ...
しかたなく、国道57号を熊本まで抜ける決心をして出発することにした。
レストランの人が言った、「東へは絶対行っちゃダメ!でも西に行けば雪はなくなるよ」の言葉を信じて...
旅の終わり...
めかりPAで、雨の中関門橋を眺める。
一眼レフと三脚を持ち出そうなんて気は起こらなかった...
とにかく疲れきっていたのだ...
めかりPAを出て本州に渡る。
さようなら九州。
またこんど...
兵庫県の山陽道と中国道が合流するあたりで夜明け...
まだまだ東京は遠い。
中国道はところどころ積雪で規制がかかっていた。
Z4はとにかく高速での直進性に難がある...轍にも弱くすぐハンドルがとられる。
グランドツーリングカーとしての資質には疑問が残るクルマである。
3/10AM0:00に出発して3/16の13:00帰還する、6日と12時間の旅だった。走行距離は4,300Km、BMW Z4 3.0iでの唯一のグランドツーリングになった。
本土最西端の神崎鼻、加部島の最果ての牧場、生月島の大バエ灯台...
そして、九十九島の風景...
忘れられない風景に出合った旅だった。