早朝に訪れた灯台は一年に一度の公開日のようで海上保安庁の職員や地元の人々が忙しく準備をしていた。準備中であるにも関わらず、職員の方に灯台の内部参観を勧められて、ボクは螺旋の階段を登っていった...
角島灯台は日本海に浮かぶ角島の北西端夢ヶ崎に立つ御影石で作られたグレーの灯台だ。全国でもまったく塗装をしていない灯台はここ角島灯台と香川県の男木島灯台(おぎしまとうだい)の二つしか無い。この御影石のライトグレーの灯台は白亜の灯台を見慣れた目には新鮮だし、重厚で落ち着いたイメージを与えている。そして参観灯台であるこの灯台はいつでも登ることができる。見下ろせば眼下に美しい海と園地が広がる。
美しい角島に建つこの優美な灯台は、下関から日本海へ向かう船が針路を変える変針点を示す重要な灯台だ。
海上を行く船からはこの灯台はどのように見えるのだろう?ライトグレーの灯台は洋上からは見つけにくいんじゃないだろうか?
いらぬ心配をしながら灯台のバルコニーを一周する。
五月の角島は風が心地よい。カラダを乗り出して、潮の香りと青い海を愉しんだ。
さてまもなく、角島大橋を渡って人が大勢やってくる。ボクは今日の旅に出るとしよう。