日本海側からの東北への旅の始まりは笹川流れから始めるのがオススメだ。
村上の街から風光明媚な海岸線をゆっくりと北へ向かう道。この「笹川流れ」の名称は実際にはその海岸線そのものを言い、道に付けられた名称は、国道345号線もしくは坂町鼠ヶ関道、もしくは日本海夕日ラインとも呼ばれている。
この無数の奇岩、絶壁、洞穴が連続する笹川流れを駆け抜け、国道7号に入って鼠ヶ関、温海温泉、山形県道50号に入って庄内海岸随一の景勝地由良海岸を走って、白砂の海岸が広がり鳥海山を望む湯野浜温泉に至るドライブルートを紹介したい。ルート地図(googleMapが開きます)
国道113号を東へ、途中はまなすの丘という展望所に立ち寄ってもいい。
荒川の橋を渡って国道345号へ入る。お墓場森林公園の横を走る。この公園は巾1.2km長さ約2.5km以上にわたって赤松の林におおわれている海浜公園だ。昔から村上藩当時、殿様方の遊園、行楽の場所として使われていた場所らしい。
お墓場を越えると岩船の街。ここは国道をそれて旧街道の趣がある県道3号で瀬波温泉へ向かおう。
しばらく開けた土地と穏やかな海岸線が続く。道沿いにはクルマが止められるスペースがあちこちにある。クルマを止めて、堤防に座って、穏やかな日本海を眺めてみよう。
瀬波温泉街の道はセンターラインの無いひなびた感じの道。ここを通って少し細めの街の道を抜けると国道345号へ出る。少し鋭角的に左折すると、ここから笹川流れの海岸線へ向かう。
羽越本線をまたぐ橋を越えたら、海岸に沿って右にカーブをしながら下って行く。ここは誰もがちょっと感動する笹川流れの出発点。ここから続く海沿いの道、海に浮かぶ粟島。記憶に残る旅の風景。
鳥越山の下をトンネルでくぐると、ここからが笹川流れの岩礁風景の始まり。羽越本線桑川駅には道の駅笹川流れが併設されているが、その手前の鳥越海水浴場にクルマを止めよう。こっちのほうが笹川流れらしさが楽しめる。
さてこの旅の出発点はどこがいいだろうか?ここでは新発田市の藤塚浜を出発点に推薦したい。この浜に立ち北東を望めば向かう笹川流れの海岸線が風車の向こうに良く見える。
ボクは旅の出発にはこれから向かう方角を眺めて、これから出会う風景に思いを馳せる。ガイドブックなんて見なくていい。
目前に広がる風景に、風を感じて感性の赴くままに旅をすればいい。
瀬波温泉は明治時代に石油試削中に発見された温泉。砂浜が広がる瀬波海岸に沿って温泉宿が点在する。この温泉に秋に行けば近くの三面川に遡上するサケ料理 を味わうことも出来る。湯温は93度と高い温泉で少し熱めのアルカリ性の温泉です。入ると肌がツルッツルになりますよ(^-^)ゝ
瀬波海岸は砂浜の海岸。夏は海水浴で賑わうよく整備された海岸で、湯上りにここで涼むのも良いだろう。
桑川駅を越えて、海岸線沿いのトンネルを抜けるとそこが笹川。
青い海にかもめが飛び交い、白砂の海岸に波が寄せる。素晴らしく美しい海岸だ。
この蓬莱山付近はボクが笹川流れで2番目に好きな場所です。
砂浜が広がり、かもめが飛ぶ...
ここで撮ったお気に入りの写真があります。
6月フェーン現象で35度近くになった時にここで撮ったZ4Mの写真です。
なんとも言えない雲が空に流れていた夏の日でした。
笹川からは奇岩が連続する笹川流れのハイライト。でも道路からはなかなか笹川流れの全貌はわかりずらいので、岩礁風景を特に楽しみたかったら桑川から出ている笹川流れ遊覧船に乗るのがいいと思う。
岩礁地帯を抜けると国道345号は広々とした道に変わります。
海沿いの風光明媚な景色を眺めながらのドライブは気分最高。
前方に見える尖った山、蓬莱山に向かって北上している。
梅雨の中晴れ、南風を背に笹川流れを走る
南風が連れてきたフェーン現象で気温は上昇
海は風で荒れていた。
青碧の海、風に流れる夏 の雲
暑さに汗が流れる
さて、また走り出そう
かもめが向かう北へ
ここで繰り広げられる風景は、まさに小説かもめのジョナサンの世界だ...
蓬莱山から、脇川大橋に向かって走る。
きもちいい海沿いドライブが続く...
芦谷付近を走る。ゆっくり海を見ながら...
そして、S2000でもここを訪れた...
国道345号のこの付近には妙なトンネルがあります。ロックシェードでもなさそうな形状。なんでしょう?実はこれ旧羽越本線のトンネルがそのまま道路として使われている路線なんです。
自分のクルマが突然羽越本線の特急車両になったようにトンネルを駆け抜けます。
笹川流れでいちばん大きな漁港、寝屋漁港あたりの鉾立岩。この集落のシンボルとして集落のどこからでも見ることができます。
国道345号はこのあと勝木で国道7号と合流します。ここが笹川流れの終点です。
鼠ヶ関から国道345号は内陸に入って鶴岡方面に向かいます。替わって国道7号が海岸線を走る道となるのです。
海沿いの広い国道7号を走ります。いつも流れのいい区間です。
鼠ケ関で、笹川流れの別名である坂町鼠ケ関道も終わりです。
ここは昔、白河、勿来とならぶ奥州の三関所と言われた要衝でした。
港には弁天島という島があり、そこに灯台がありますが、ボクの行ったときは台風で遊歩道がなくなっており灯台へは行けませんでした。
そして道の駅あつみへ。
ここのお食事処早磯は絶対のオススメです。
全国の道の駅でここほど刺身が安定して美味いところは無いんじゃないかな。
とにかく鼠ケ関であがった地物の魚を美味しく食べられるんです。
刺身って獲れたてを捌いて食べるのがオイシイって思っている人が多いですけど、実は魚も少し熟成させたほうが美味いんです。特に白身の魚はね。ここの刺身 はいい感じに熟成させて旨みがたっぷり。魚をよく分かっている板さんがいるんですね。さらに初夏は庄内岩牡蠣の季節。ものすごく大きいプリッとした最上の 岩牡蠣がここで食べられます。
さて、道の駅あつみで海の幸を堪能したら、北へ向かいましょう。でも温海温泉で温泉に入るってのもいいかもしれない。
しばらく国道7号線を淡々と走ります。前方に由良海岸が見えてきたら、山形県道50号へ入って海沿いを進みます。由良海岸へ急坂を下る道。ボクはこの風景がなぜか気に入っており、何度ここを訪ねてもここで由良の海岸を眺めるんです。
由良海岸には白山神社がある白山島があります。
ここに橋が架けられていて島へ渡ることが出来るようになっています。
由良海岸は出羽三山の創建に深く関わる場所で、1400年前、霊峰出羽三山を開いた蜂子皇子が都を追われ丹後の由良浜より海路、流浪にのり北上を続けてたどり着いたのが由良海岸なのだそうです。この白山島は火山性噴火で出来た火山島です。
由良海岸を行く県道50号もなかなか風光明媚な道です。切り立った岩が続く海岸線に続く2車線の快適な道路です。
そして彼方には鳥海山が見えてきます。圧倒的な存在感ある霊峰です。
湯野浜温泉でこの風光明媚なゆったりとした海岸線をめぐる旅は一旦終了です。
ここから鳥海山を目指し酒田の街を越えていくのもいいし、鶴岡を越えて出羽三山へ向かうのもいいでしょう。
写真が好きな方なら酒田に土門拳記念館もあります。
鳥海山を眺めながら酒田や鶴岡を巡るのもいいでしょう。
ロックシェードが続く道を抜けると、前方に湯野浜温泉が見えてきました。
白砂の海岸に温泉街が見えます。
新潟の村上から笹川流れを北上して山形庄内地方を旅したこのドライブ。
ゆったりと海を楽しめる素晴らしいドライブルートです。ぜひ一度このルートをあなたの愛車で巡ってみてください。