石波海岸にて...
帰路へ…
この美しい海岸に人がいないのは違和感を感じるけど、ここは潮流が危険で遊泳禁止の海岸だ。
サーファーすらあまり見かけない。
今年の旅こそこの海岸の美しい姿が観たかった。
また来年の楽しみが増えたと思っておこう…
石波海岸でパラパラ雨が降りだした。日南海岸はまだ続くが、これで旅は終わりにしよう。
南郷、日南と本来なら風光明媚な風景もなんか色あせて見える。
幸島を望む石波海岸へ着いた。
空にはベールのような雲が広がってきた。
幸島は日南海岸を代表する美しい砂浜である石波海岸沖に浮ぶ島である。
石波海岸の幸島に一番近い浜に駐車場があって、ここに「百匹のサル現象発祥の地」の碑がある。
百匹目の猿現象とはこの幸島の猿の一頭がイモを海水で洗って食べる ようになり、同じ行動をとる猿の数が閾値を越えたときその行動が広く群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったというという話で、「ある行動、考えなどがある一定数を超えると、これが接触の無 い同類の仲間にも伝搬する」という現象が存在すると言う説だ。
実はこれはまったくのデタラメであり、ライアルワトソンによって創作された話である。
事実は幸島の猿が、海水でイモを洗って食べると言う事実だけ。接触の無い同類の仲間にも伝搬するなんて事実は無く、まったくの創作なのである。幸島の近くには京都大学の霊長類研究所もあり、この石碑は洒落で設置されているものだと思っていたが、石碑にはこの現象が事実のように記載されている。
「ま、でもさ、そういう空想もたのしいよな~」「なんか焼き芋食いてぇなぁ」とか言いつつ、九州地元コンビニのエブリワンで買った焼きたてのミートパイ(ここは店でパンを焼くのがうり)をほおばりながら和んでいたのだった。
日南市から県道28号経由で宮崎自動車道を目指した。
この県道28号は山のパノラマが楽しめる快走路だった。
一気に宮崎自動車道田野ICへ。
えびのJCT経由で九州道へ北を目指す。
九州道はところどころ渋滞して、めかりPAに到着したのは19時を過ぎていた。これから深夜の中国道、名神、東名を東へ。
明日の午前中には東京へ着くだろう。
ある程度慣れているとはいえ、少し滅入る距離だ。
恒例の3月の九州の旅は今年も思い出深い。
何度でも見たい風景がある。だからボクは西を目指す。
遠距離の旅と言うと、北海道にあこがれ、目指す人が多い。
北海道にはないものが九州にはありますよ。
大好きな九州。また旅する日までしばしの別れ…
日南海岸の有名な風景である石波海岸の椰子並木。既に空には雲が広がり、ちょっと冴えない風景になってしまっている。
そして、石波海岸の北側にクルマを止めた。