早春、海を巡る九州の旅 2009/3 九州
 

2009年3月14日〜3月23日の10日間。九州の海沿いを巡る旅に出た。

それほど寒く無い3月だけど、桜の開花にはまだあと少し。

今回の九州の旅は佐賀県唐津からのスタート。

玄界灘の夕暮れと、海の幸を愉しんだ。

正直、どのように旅に出たのか忘れてしまった...

1日目 2009年3月14日 3月恒例の九州の旅へ...

この旅の旅立ちを正直すっかり忘れてしまった。

たぶんいつも通り、金曜日の仕事が終わって、適当に荷造りして、そのままクルマに飛び乗ったのだろうが、実際にはまったく記憶にないのだ。山陽道を走ったのか中国道を走ったのかすら忘れている。ただ強い雨で怖かった事だけ覚えている。

写真も撮る気がなかったのか、東京から1,000Km先の壇ノ浦PAからの風景で始まっている。

旅の始まりの天気は雨もやんで上々だったようだ...

たぶん、ここで天気予報を見てどこへ向かうか決めたはずだ。

南なら大分、西なら佐世保?いや、唐津だ。

唐津の宿を押さえて出発。長崎自動車道多久ICから国道203唐津街道で唐津に向かった。

波戸岬と馬渡島のあいだに日が落ちて行く。

まぶしい太陽、雲を通して降り注ぐ光はオレンジ色だった。

露出のマジックなのだが... まぁ、実際にはまぶしいだけでこうは見えない。

1,300Kmを走り続けてたどり着いたのは、佐賀県の北端、玄界灘を望む杉の原放牧場。

降り続いた雨は止んだが、冷たい強い風が吹きつけていた...

蒼い空に、流れて行く雲。

旅の始まりに見た、さびしい海沿いの放牧場

ただ、ここに牛がいないのは、画竜点睛を欠くというものだろう...

この日の日没は18:26だった。

風が冷たく涙が出て来た...

玄界灘に浮かぶ、右が加唐島、左が松島。

大きな雲がすごいスピードで流れてくる。

東の海を見た。

正面は福岡県の糸島半島だ。

夕陽を浴びた雲はほんのりピンクだった。

加部島の中央をまっすぐ貫く農道を走る。

登り切って山を越える手前でZ4Mを止めて振り返る。

いい旅の始まりだった。

1,300Km走って来た疲れはあったが、これからの旅の期待にこころ踊る。

加部島の牧場の夕暮れ...

唐津に着いたが、まだ夕刻には早い時間。

そのまま唐津の街を通り抜け、国道204号、県道23号、県道340号経由で呼子大橋を渡って加部島へ向かった。

ボクはここの風景が大好きだ。

たどり着いた牧場にはだれもいなかったし、牛さえいなかった...

いい空だ。

青空に浮かぶ雲。

枯れた牧草の放牧地。

打ち付ける波の音。

そして風が吹く音。

唐津 「やすけ」 にて...

ホテルにチェックインして、鮨でも食べてみたいと店を探す。

唐津には鮨の名店が多いと言うが、事前に調べていなかったので全くの飛び込みで探してみる。

何軒かの店構えを確認して、「やすけ」という店に入った。

まずは、生ビールを一杯とおまかせで出してもらうことにした。

寡黙な店主と優しそうな奥さんが迎えてくれた。

ここは絶対いい店だ。食べる前から確信した。

ボクの解説なんぞつまらないので、写真だけ。

どこから来たのか訪ねられて、東京と答えたら醤油が甘かったら言ってくださいと、九州の醤油は確かにだしが入っていて甘いものが多い。ボクは生まれは京都だということで九州の醤油は好き。じゃあ大丈夫ですね。と九州の醤油で行く事にした。

ここは醤油も何種類もあって、3種類くらい出してもらってなめてみた。かなり甘さが違う。

鮨だけを期待して来たのだが、ここの料理の旨い事。季節の野菜に玄界灘の海の幸。

たぶんボクが知らないだけで有名な店なのだろうけど、なんか宝物のような店を見つけた気分だった。

奥さんと話していると、2月はご主人いい魚が入らない季節なので機嫌が悪いそうだ。

3月に入って鯛を始めとして、いい魚があがってくる。

自然にご機嫌になるそうだ。

ふくもシーズン終わりで、このふくの天ぷらでラストだそうだ。

たらのめの天ぷらが美味しすぎる。

お店の内部。

使っている器も唐津焼のいいものばかりです。

そして、鮨です。

あぁーもうここ近年でボクが食べた一番美味しいお鮨であることは間違いアリマセン。

涙が出てくる...

もう感動しっぱなしの食事でした。

ご主人の話も魚の熟成の話とか、実際に寝かせたものと今朝上がったばかりのものを食べ比べさせてもらったり...

他にも魚や唐津の野菜の話など話していただいて楽しかった。

これでおまかせのお値段6,500円は安すぎです。(実際には追加で何品も食べましたが)

家に帰って調べたら、「やすけ」は唐津では老舗の名店です。唐津の名店として名高い「つく田」のご主人はここ「やすけ」の次男なんだそうです。

ボクは唐津に行ったら必ずこの店でお鮨を食べたい。

あまりWebに情報が無いのは、あまり取材は受けてないせいかな。

まわりは地元の人ばかりでした。(陶芸家の先生のような人)

唐津の夜は、すばらしい夜だった。