8日目 2008年9月13日 シューパロ湖の三弦橋を訪ねて...
南下する朝
この日の天気予報も期待できないものだった...
サロベツの原野を南下し、音威子府、幌加内と内陸部を南下する。
嵐のような雨の中を走り、曇天のワインディングを走って、その後雲は多いもののだんだん青い空が広がってくる。
そしてシューパロ湖の世界的にも稀有な三弦橋に出会う...
道道106号から、道道972号経由で国道40号へ出た。
天塩大橋を渡る直前に撮った写真。
湧き立つ雲が見えた。
この雲の下に向かって走るのだ。
ここでもちろん幌を閉め、進んだ。
美深町で右折して、国道275号へ入る。
雲間に青空が見えてきた。
朱鞠内湖まではなかなか楽しいワインディングが続くので楽しめそうだった。
幌加内を経由して
ここ新城峠は標高も200mくらいなのでほんとに峠なの?と言うぐらいのものだが、のどかな農場の風景が広がることから観光名所になっているらしい。
まぁ、美瑛や富良野と同じような風景が楽しめる。北海道ではあまり珍しくもなんとも無いところだ。
国道40号天塩川温泉を越えて、豊清水付近を走行中。
北海道の山間部の典型的な風景が続く。
淡々と走る。あたまはからっぽ...
深川から芦別、そして国道452号へ...
深川市を道道98号、916号、57号と経由して国道12号へ。
神居古潭神社の前を通って、道道4号へ進む。
カムイってのはアイヌの神様なのに、神社とは変じゃん?などと独り言...
そして新城峠にやってきた。
朝5:30にホテルを出て、南下する。札幌まで行くことだけは決めて
いた。ただどこを経由するかは全く決めていなかった。
サロベツ原野の道道106号に別れを告げるべく走る。
私にとってこの道路の最も印象的な場所は、この夕来なのだ。
まぁ、本州のワインディングロードとは全く違った、適度なカーブが続く...
ここでねずみ獲りをやっていたら、完全に免許を失うだろうね。
朱鞠内湖までのワインディングを楽しんで、国道239号との合流地点。ここは右へ行く。左に行けばトヨタ自動車の試験場がある。
まぁ、当然見学などは出来ないのだから無意味だが...
桂沢トンネルを越えると、桂沢大橋を渡る...
この先小さな橋で、無数の沢を渡って行く。
橋のネーミングが、桂冬橋、桂秋橋、桂夏橋、桂冬橋になっていたのを発見してニヤリ...
こういう発見もドライブの楽しみだ。
今日の旅の唯一の目的だったシューパロ湖の三弦橋である。
旧下夕張森林鉄道線夕張岳線森林鉄道の鉄橋で、三弦トラスと呼ばれる、下路トラス橋である。上弦鋼材が1本、下弦鋼材が2
本、断面が三角形で、四角錘を連ねた特異な構造が特徴だ。この三弦トラスを採用したこの橋は世界的にも珍しく、美しい鉄橋なのだ。
ただし、この鉄橋も夕張シューパロダムの2013年の完成によって湖底に沈むことになっている。
AM 6:03 ようやく太陽が東の空に姿を見せた。
利尻富士も雲に隠れて姿を見せない。
冷たい雨は気がつかなかったが、いつの間にかやんでいた。
進んでまもなく豪雨となった。轍に水が溜まって走りにくい。スピードはセーブして走るが、地元のクルマはバンバン追い越して行く。だが、追い越していったクルマが前方で滑って対向車線へ飛び出す。たまたま対向車はなく無事だったが、ちょっと怖い思いをしてしまった。
私のクルマだって70Km/h以上では走っていたのだから、100Km/hくらい出ていたはずだ。ハイドロ状態になったのだろう。
音威子府の街に着いた。
ここは道内でも有数の豪雪地帯らしい。
宗谷本線、天北線の両線が分岐する鉄道の街として栄え、そして鉄道の廃止で寂れていったところだ。
この街のセイコーマートで、あたたかいすじこのおにぎりを買って、再び南下を始める。
幌加内の道の駅でそばを食べようと思っていた。幌加内は道内一のそばの産地なのだ。
しかし、時間が早くて営業などしていなかった。幌加内そばは次回へお預けになってしまった。
深川の平野部へ降りて、道道98号へ入る。
実った稲は収穫間近だった。
道道4号を走って、国道38号芦別の街に出た。
ここを通るのはこの旅二度目。
スパイクタイヤの使用許可を求める街宣車が走っていた。やっぱりスタッドレスだけじゃ、この北海道の内陸部の極寒地ではムリなんだろうなぁ...
この街宣車を駆るのはプロレスラー将軍K・Y若松氏ということだった。(現在、芦別市の市会議員らしいです)
芦別から国道452号へ入る...
芦別川を渡ると、隣の鉄橋にディーゼル機関車が見えた。鉄橋は炭山川鉄橋と言い、ディーゼル機関車DD501と石炭貨車セキ
3000が置かれているだけなのだ。これは、1989年に廃止された三井芦別鉄道のものである。こんなところに置きっぱなしだとすぐに錆びてしまいそうだと思っていたが、定期的に塗り直しを行い、冬季は鉄橋から地上区間に移動のうえで保管し、傷みから守っているそうだ。
シューパロ湖の三弦橋を訪ねて...
この日のドライブはシューパロ湖の三弦橋を見るためだけにあるようなもの。ようやく目的地が近くなってきた。
この国道452号線、意外にも交通量は少なくない。土曜日なので行楽に向かうクルマが多いのだろう。
この写真の桂竜橋手前で道道116号との分岐があるが、道道116号は札幌-富良野間の最短ルートとして利用が多い道路らしい。冬は結構危険そうだが...
桂竜橋から桂沢橋を見下ろす。空は青空で気持ちがいい。下はダム湖で旧道であった桂沢橋は通行できないんだそうだ。
ダムの方向を望む風景。
桂沢湖は桂沢ダム完成によりできた、大人造湖で、湖の周囲は62kmもあるんだそうだ。
このあたりは紅葉の名所ということだった
が、さすがにまだ時期が早かったようで、まったく紅葉していなかった。
夕張市ではこの鉄橋の保存なども検討されているが、夕張市の財政破綻でどうなるかわからない。とりあえずダム完成時には管理用船舶運航に支障の無いよう、1連分(39.00m)は取り外される予定なのだそうだ。
地図を見ていると三弦橋の上を通る対岸の道路があるので行って見た。途中炭鉱全盛期に栄えたような飲み屋街があり、その先がその道路のようだったが道路工事のため閉鎖されていた。
クルマをとめて歩き出したが、入っちゃダメと言われて諦めることになった。
なぜか、千歳で幌加内そば。
シューパロ湖を出て、国道452号を走り、国道274号を目指す。
452号線を走っていると、夕張市農協の隣にメロンの形をした屋根を持つメロンドームがあった。(営業は5月~10月)
ちょっとおなかも減っていたので、入ってみることに...
この夕張メロンソフト本当に美味いです。熟し切って出荷出来ない夕張メロンを搾って作るんだそうです。2つ食べてしまいました。
夕張ICから道東自動車道に乗って、千歳ICへ。道道16号で支笏湖へ向かった。
ところが国道453号と合流するところで突然の大渋滞。まったく前に進まなくなってしまった。まぁ、特に支笏湖に行きたいわけでもないので、道道16号を引き返す。しばらく走って林東公園近くに「幌加内そば」のかんばんが見えた。今日、幌加内でそばを食べ損ねているので、さっそくこの店に入ってみた。
てんぐの蔵という店だった。
もりそば を頂きました。なかなか美味い。
Webで検索すると、味はいいが、接客最低との評判なのだが、この時は他に客もいなくてすこぶるいい感じでした。
カウンターに座ると、林東公園の池を眺めながら食べることになります。なかなか雰囲気もいい店でした。
そばを食べながら、どこへ行こうか悩む。この時点でかなりやる気はなくなっていて、本日終了の感。
西岡水源地で9月13日の旅の終わり
千歳から高速を使って一気に札幌へ向かった。
訪れたのは西岡水源地。
駐車場にクルマをとめて、一歩入るとそこは鬱蒼とした森の中だった...
印象的な取水塔。
この風景の写真をどこかで見て、行ってみたくなったのだ。
取水塔は今は機能していないが、国の有形文化財として保存されているのだそうだ。
池の周囲を一周してみた。
西岡水源池は、南北に細長い池。
月寒川が南から流れ込み、北から流れ出る。(1枚目の写真)
北端に西岡水源池取水塔がある。
夕暮れまで、ベンチに座って本を読んだ。
風が心地よい夕方だった。
少々早目に今日のホテルにチェックインして明日に備えることにした。
月寒川の月寒とはなんともいい名前だと思っていたら、元々はアイヌの地名で「ツキサップ」だったそうだ。